インプラント治療を成功に導くためには、幾つかのポイントがあります。患者側にも適応条件が存在しますが、医院および歯科医師側にも必要条件があります。
患者側の条件とは、全身状態が悪くなく手術が可能な方。プラークコントロールが良好。タバコを吸わない。歯周病の治療および予防を受けることなどです。
それでは、歯科医院および歯科医師に必要な条件はなんだと思われますか?
それは、歯科医師には適切な審査・診断を行った上でEBMに基ずいた治療計画を立案し確実な手術を行う能力が必要です。
適切な審査・診断とEBM(科学的根拠に基ずいた医療)に基ずく治療計画は、インプラント治療の経験値や学会などの定期的な研修や講習を受けることで備わります。
確実な手術を行うことについて詳しくお話しします。この能力を確実に上げる方法があります。それは、模型上の計画と顎骨のCTスキャンをシミュレーションソフト(ノーベルクリニシャン)で3D診断してインプラントの治療計画を立てることです。そして二つ目は、そこから手術用のガイド(ノーベルガイド)を作成し、それを使用してインプラントの手術を行うことです。これをガイデッドサージェリーと読んでいます。
正確な数はわかりませんが、このようなガイドを使用しないでインプラント治療を行っている医院が多いと思います。フリーハンドの手術は計画通りにインプラント手術するのは非常に難しいです。
ガイドを使用したインプラント治療は確実に手術ができるのはもちろんですが、より安全に手術が行えます。また、インプラントの入る位置がずれませんので最終的に入る補綴物(被せ物)の位置や形も適切に作成できるメリットがあります。せっかく、インプラントを入れても噛めない歯が入ってしまったら意味がありません。
当院では、全ての症例で3Dシミュレーションを行いインプラント手術はガイデッドサージェリーで行っています。
この流れを実際の症例写真でお見せします。
コンピューター上のインプラント治療のシミュレーションです。右上に2本のインプラントを計画しています。
この計画から、手術用のガイドを作成していきます
実際の手術時の様子です。ガイドの穴に沿ってドリリングを行うため方向と深度が正確です。
術後のレントゲンです。このように術前の計画通りにインプラント手術が可能です。また、この症例は骨移植術(ベニアグラフト)を併用しています。